「豊かな節約」を届けていく。 京都のカレー店「夢を叶える」堀居健太

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京都の阪急西京極駅から車で4分、徒歩14分ほどの場所に、一風変わった名前のカレー店がある。

 

そこには「300円カレーゼイコミ」という表示と、「夢を叶える」という看板が掲げられていた。

 

 

ここでオーナー兼店長として働いているのが、堀居健太、39歳。

この場所で1年半ほどの間に、延べ約45,000人がその価格とボリューム、彼の人柄に惹かれてカレーを味わってきた。

カレー店を起業し、1年と約半年が経ち、今堀居は日々何を考えながら過ごしているのか?

今後の目標、彼の人生ストーリーに迫ってみた。

 

 

 

300円カレーで「豊かな節約」をしてもらいたい

1日10食限定!店の看板メニュー:チキンカツカレー400円

1日10食限定!店の看板メニュー:チキンカツカレー400円

 

Q:まずこの安さにみんな驚きますよね?

堀居:9月までは200円カレーのチェーン店として運営していたので、更に安かったんですけどね。 オリジナルのカレー店として、味の試行錯誤を重ねて300円で提供しています。

 

Q:どうしてこの低価格で提供されているんですか?

堀居:実はぼくは19歳の時、住み込みで空手の内弟子をしていたんですけど、その時お小遣いを月5万円もらってたんです。つまり年収60万円。空手ばっかりやってたからお金を使わなかったんですけど、その状態で年20万円貯めていて。

 

堀居:その頃「1日の食費を1,000円にしたい」と思っていて、、、そうなると、1食300円程度じゃないですか?

「食費を抑えて節約すること自体は悪くないと思うのですが、貧しい食生活から心まで貧しくなって欲しくないなぁ」という想いがあって、低価格で提供していきたいと思っています

「豊かな節約」って言ってるんですけど、食費で浮いた分、夢や目標に向かってお金を使ってもらったり、趣味に使ってもらいたいですね。

 

缶・ペットボトルのジュースも低価格で販売

缶・ペットボトルのジュースも低価格で販売

 

Q:なるほど!大きなカツをトッピングしてもワンコインで食べられるというのがありがたいです。トッピングの種類も豊富ですね。

11月に数量限定で販売していたれんこんメンチカツ(現在は終了)にスクランブルエッグをトッピングしたカレー(490円)

11月に数量限定で販売していたれんこんメンチカツ(現在は終了)にスクランブルエッグをトッピングしたカレー(490円)

 

堀居:「毎日食べてもらえるように」っていう気持ちがあるので、自分が「こんなメニューがあったらいいな」って思うものとか、お客様のニーズを感じながら考えてこういうラインナップにしています。

 

 

利用者の声

カツカレーとからあげカレーを食べたご兄妹、キヨさん(左)と、むー(右)さん

カツカレーとからあげカレーを食べたご兄妹、キヨさん(左)と、むーさん(右)

 

Q:カレーを味わってみてどうでしたか?

キヨ:これが400円なんて信じられないですね。カツもしっかりしていてすごくボリュームがあってお腹いっぱいになりました。

 

むー:からあげもサクサクしてておいしかったです。

 

キヨ:カレーの中に大きな鶏肉が入ってるしね。あと、個人的にちょっとしたことなんですけど、福神漬けもすごくおいしかったです。

 

 

Q:堀居さんと会ってみてどう感じました?

キヨ:人柄がすごく良いです。京都観光をこれからしようと思ってるんですけど地理やバスがわからないって言ったら詳しく教えてくれました。

 

堀居:そんなふうにいってもらえてなんか恥ずかしいですね(笑)

 

 

取材中に来店されたUber eats配達員をしているお客さんにもインタビューさせていただけた。

取材中に来店されたUber  Eatsで配達をしている方にインタビューさせていただけた。

Q:カレーの味はどうでしたか?

取材されている内容も聞こえていたんですけど、1杯のカレーに情熱を込めて作られているのもわかって、おいしかったですし、また来たいです。

 

配達エリアではUber Eatsも利用可

配達エリアではUber Eatsも利用可

 

 

 

 

好かれる人間になるため、ふざけることを真面目に取り組んだ過去

Q:このお店を初めて1年と約半年ですが、それまではどんな生活を?

堀居:この場所でカレー店を始める1年前までは工場で働いたり、営業マンとして働いたり、和民で働いたり。仕事に人生を捧げていました。特に営業マンの時は「鬼軍曹」と呼ばれるほどで冗談の一つも言わないつまらないやつでしたね。(笑)

 

Q:え!今にこやかな堀居さんのキャラクターからはそれは想像できないですね!

堀居:和民で6年ほど働いたんですけど最初2、3年はスタッフのやる気を引き出したり、サポートができないと言われたりで。スタッフに全然付いてきてもらえなくて…。3年目に入ってやっとアルバイトさんとご飯に行ったり、遊びに行ったりできる関係になっていきました。

一回りほど年が若い、あるアルバイトリーダーがいたんですけど、彼と同じことを言っているのにぼくのいうことはスタッフに聞いてもらえない。その人から「もっとあなたはお店を楽しくやった方がいい」って言われて、、、もう悔しくてボロボロボロボロ泣いたんです。

その時に、人から好かれることの大切さを本当に痛感して。「自分も好かれる人間になりたい」と思ったんです。

 

 

Q:好かれる人間になるために具体的にどういう行動をとったんですか?

堀居:和民で働いている時は、大学生中心のアルバイトさん達と同じノリや話題に合わせるようにしていきました。その頃から少しずつ友達が増えていったように思います。

和民を退職してからは、「ニコニコ生放送」で配信を始めて、リスナーさん達が楽しんでくれるように「ふざけること」を真面目に取り組みました。

その頃に妻と結婚し、新潟で生活をするようになって、住んでたマンションの近くに新潟発祥の「200円カレーチェーン店」を見つけたんです。

 

Q:初めて200円カレーを食べてみてどうでした?カレーは昔から好きだったんですか?

堀居:辛口カレーが好きで、「大手カレーチェーン店」でも辛さ「5」とか頼むんですけど、「200円カレーチェーン店」の甘口のカレーを初めて食べた時、「こういう毎日食べられそうなカレーもありだな」と思ったんです。

ちょうど「フランチャイズ加盟店募集」の貼り紙を見たら、関西に1店舗もなかったので「こんな店が関西にもあったら良いな」と思って、カレーの世界に飛び込みました。

カレー業界で100店舗以上あるのは「大手カレーチェーン店」1社のみ。

この実情を知って、「カレー業界にまだ可能性があるなぁ」って思って。

 

 

関西初出店!「200円カレーチェーン店」のオープンと葛藤

Q:2017年5月2日に「200円カレーチェーン店」 の西京極店をオープンされましたが、オープン当初はお客さんの入りはどうでしたか??

堀居:席数16席の店内に1日で100名様、多い時で200名を超えるお客様が来てくれるようになりました。口コミをしてもらえたり、メディアに出演させてもらえたりでありがたかったですね。オープンから約7ヶ月半経った頃、累計来店者数は20,000人を突破するほどでした。

20000人達成時の堀居夫妻

20,000人達成時の堀居夫妻

 

Q:ものすごい人数ですね!

堀居:noteのブログ「300円のカレーができるまで」にも書いてるんですけど、ご飯とルゥ約300gずつだと多すぎてカレーライスだけでお腹いっぱいになり、トッピングまで食べられないという声もありました。多くの方が食べに来てくれても売り上げが確保できないため、私の休みがとれず、疲れが溜まっていき、笑顔も少なくなりました。そこで、接客の質を見直しました。

 

価格は変えずにご飯とルゥ約250gずつに変更させてもらったらトッピングもしてもらえるようになり、お客様からもこのくらいの量がちょうど良いと言われるようになりました。

 

しかし、そのままだと値上げになるので、

    • ペットボトルの水を100円から80円へ値下げ
    • ドリンク類全品10円値下げ
    • 浄水器導入してお冷の提供を開始、紙コップを30円で販売
    • テイクアウトの大盛を開始
    • ご飯のみ、ルゥのみ増量等のメニューのカスタム開始

 

のように工夫しながらより使いやすく便利にしていきました。

 

当時の写真

当時の写真

 

 

200円から300円の価格変更への思い

堀居:2017年12月のある日、新潟にある本部から「事業が終了して、東京にある会社が事業を引き継ぐことになったから会って話をする機会がほしい」と連絡がありました。

会って話をしてみると「200円カレーチェーン店」の全国の直営店が閉店、フランチャイズ店が脱退して西京極店のみになるとのことで、これまで使ってきたカレールゥは製造が中止になることが決まりました。全国の在庫を当店で使い切る期間中に新会社が新たなカレールゥを開発することになったのです。

 

Q:え!オープンからずっと提供していた味が変わってしまうということですよね?

堀居:そうです。オープンからちょうど1年経った時に新作のカレールゥが届いたんですけど、私には少しスパイスが強くて辛いように感じたのです。

 

Q:ここでまさかの甘口から辛口に…。新しいルゥの味で販売してみたらお客さんの感触はどうでしたか?

堀居:1日100名来てくださっていたのが、1ヶ月後に60名になりました。激減です。

東京の会社がショッピングモールのような場所で提供するとのことだったのでそれで良いと思いますが、当店のコンセプト・立地としては毎日食べられる甘くて優しい味が地域の人たちから求められているように感じていて、「子どもからお年寄りまで食べられる優しい味のオリジナルカレールゥを作らせてもらいたい」と願い出てOKしてもらいました。

 

 

Q:どうやって新しいルゥづくりをしていったんですか?

堀居:Facebookで友人に相談したところたくさんアイデアをもらってめちゃくちゃ嬉しかったです!

それを参考に試行錯誤して、8月30日に試食会を開いたところ約20名に食べてもらい、素直に感想をもらいました。

試食会の様子

試食会当日の様子

 

堀居:食材の産地は北海道産にこだわり、ミネラルがたっぷり抽出できる「根昆布」で出汁をしっかりとって、化学調味料無添加のカレーライスを作りました。福神漬けも無着色のものにしました。

実際に使用している根昆布

実際に使用している根昆布

無着色の福神漬けも好評

 

堀居:これは、

「自分の息子に食べさせたいと思うものをお客様に提供したい!」

「飽き性の自分でも3ヶ月は毎日食べられるものを!」

と、色々試して生み出したカレーライスです。

 

 

Q:「子どもからお年寄りまでが食べられる優しい味」ってわかりやすいですね!

堀居:スパイスは足すことができても、引くことができないんですよ。

甘口のカレーに辛さを足したい方はスパイスを追加してもらえるようにも工夫しました。

そうしたところ人気トッピングになりましたね。

 

 

Q:オリジナルカレールゥが生まれたわけですが、食材の原価は大丈夫なんですか?

堀居:そこなんです。カレールゥを作るために大事にしたのは、「安くて不味くないものではなく、美味しくて少しでも安く作る」ということです。

そうなると、食材原価が上がります。

あと、チェーン店を脱退したことで仕入原価の値上げの連絡もあって。。。

 

 

Q:これまで200円だったカレーの価格を上げる決断をした決定打は??

堀居:ちょうどその頃、夏の猛暑の影響から冷蔵庫が壊れ、修理すると17万円、買い換えると60万円と見積が出たこともありましたね。

堀居:それまでは維持できていると思っていましたが、トラブルが重なった時に運営に大きな課題があると感じました。

完全な勉強不足でしたね。

駐車場の完備やお冷の無料提供など、より良いサービスに切り替えるために値上げを決意しました。

 

 

2018年9月30日にカレー店「夢を叶える」リニューアルオープン

Q:リニューアルから3ヶ月経った感想はどうですか?

堀居:リニューアル当初から1ヶ月経つ頃までは多数来店いただき、順調にスタートしたのですが、2ヶ月目に1日80名ほどのお客様が来てくれていたのが60名ほどにまで落ち込んだんです。やはり「100円の差」は大きかったですね。

 

でも、そこで気づいたんです。

「自分にできることをしっかりとやろう」って。

 

堀居:具体的にいうと、お客様をしっかりと笑顔で元気よくお迎えする営業に戻しました。

価格が変わっても来てくれている人たちがいることに感謝しながら働いています。

200円でカレーを提供している時は、もう「ギリギリでやっている」っていう状況でした。今やっているくじ引きとか定額券とかの企画をいっさいすることができなかったので面白味もないし、駐車場も確保できなかったですし。

堀居:今が新たなスタート地点だなと感じています!

 

 

これからの夢・目標

Q:これからの目標を聞かせてもらえますか?

堀居:京都市内に広げていく16箇所必要としてもらえる地域があるとイメージできていて、その地域に住む人たちから「必要とされたい」っていう思いが強いですね。

地元密着で、地域地域で必要とされてるところに、このお店をみんなで出していけたらなと思っています。

京都以外の都道府県で「自分もこんなカレー店がやりたい!」と、一緒に店舗を増やしながらカレーを提供していってもらえたら最高ですし、全力で応援します!

 

 

編集後記

堀居は、自身のブログでこう書き綴っている。

日本で、そして京都という土地で、このカレーライスという食べ物を通して、唯一無二の新たな世界を作っていきます。

内装も変えるかもしれません。

制服も変えるかもしれません。

カレーの味もメニューも変えるかもしれません。

遠くの場所からでも食べに行きたいと思って頂けるようなお店になれるよう、全力を尽くしていきます!

これからも応援下さると嬉しいです。

 

この記事を読んだあなたがもし、叶えたい夢を追いかけていて落ち込んだ時、「夢を叶える」のカレーを食べてみてほしい。

カレーライスを笑顔で盛り付ける堀居の姿が「また頑張ろう」と思わせてくれるに違いない。

 

 

 

京都のカレー店「夢を叶える」店舗情報

住所:京都市右京区西京極南衣手町57

営業時間:11時から20時

席数:カウンターとテーブルを合わせて16席

電話番号:075-313-8770

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

HARU/ストーリークリエイター

35歳、2児の父だけど公務員歴14年で退職してフリーランスに。著書『グッバイ公務員』を書籍化するためクラウドファンディングを行ったところ、38日間で115人から609,806円を支援してもらいSUCCESS!!/”安定を捨てての挑戦”を身をもって示します。職業:ストーリークリエイター