こういった質問について、お答えします。
この記事の内容
- 公務員の人事異動の実情
- 一年我慢すれば異動できるか
この記事の信頼性
この記事を書いているぼくは、元奈良県庁で公務員として14年働きました。
また、その経験を著書「グッバイ公務員」に書いて全国出版をしています。(Amazon・楽天ブックスでも販売)
そして現在はストーリークリエイターという肩書きで、密着・インタビュー取材をして記事や動画を制作する活動をしています。
HARU(@harumizuki423)といいます。
公務員として勤務する上で、1番の関心は自分がどんな仕事内容をすることになるのかですね。
希望していた部署に配属になったら最高ですが、部署は多岐にわたるので必ずしも希望通りにはいかないこともあります。
適性が合わなかったり、時にはパワハラやいじめにあう可能性もゼロではありません。
これらのことを踏まえて今回は、「公務員は配属から1年で人事異動できるかどうか」について解説します。
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Contents
公務員は配属から1年で人事異動できる?【元奈良県庁公務員が解説】
先ほど、Twitterを見ていたら下のツイートを発見しました。
2019.5/25 #朝日新聞 朝刊
左 大阪本社 社会面
右 大阪本社 奈良版
地方公務員災害補償基金県支部が、#奈良県 職員の2017年の自殺を公務災害(労災)と認定。 pic.twitter.com/HqbeCj1Zol— しろちゃん (@UTJAOc6I0r1CBaL) May 25, 2019
ぼくが勤めていた奈良県庁のことでした。
職員の2017年の自殺が公務災害に認定されたようです。
彼とは何回か共通の先輩を通じて飲みに行っていました。
また、ぼくが道路管理担当課にいる時にお世話になっていた仲です。
新聞記事からも確認できますが、記事の概要は次の通りです。
認定は今月17日付。遺族が公表した認定通知書によると、西田さんは05年に県職員に採用され、教育委員会の教職員課に勤務していた15年3月下旬、うつ病を発症した。砂防・災害対策課に異動した後の17年5月、自宅で自殺した。 (記事より)
- 2015年にうつ病を発症
- 2016年に砂防・災害対策課へ異動
- 1年1ヶ月後の2017年5月に自殺
ということです。
2016年に彼は人事異動を希望していました。
相談にあたった産業医も「就業場所の変更が必要」と報告していたようですが、1年我慢しても人事異動にはなりませんでした。
公務員は配属から1年で人事異動できないのが実情
- 希望していた部署と違った
- この部署には来たくなかった
- 早く変えてほしい
ぼくも過去に精神保健の担当になった時、うつ状態になって移動させてほしいと思っていましたし、こんなふうに思っている職員の声はよく聞こえてきました。
冒頭でも少し言いましたが、大きな組織なので、一人一人の職員の希望に柔軟に対応できないんですね。
「みんな我慢してるんだからワガママを言ってはいけません」という感じです。
「最低でも2年は我慢」っていうのが通例・慣例でした。
「あの人は1年で異動させてもらえてるのになんで私はダメなんですか?」ということをみんなが言い出したら収集がつかないので人事担当も大変だと思います。
今後、産業医から「就業場所の変更が必要」という報告が出たら即対応すべきですね。
▼人事異動の時期について興味がある方は下の関連記事をどうぞ。
関連記事公務員の定年後の備え方【年金が減り家計は平均で月5万円の赤字】
今後は特に職員を大事にする役所が人気になっていく
「公務員なら絶対的に安定、終身雇用」という時代ではなくなりました。
SNSで情報がシェアされるので「ブラック」なイメージがついた役所は受験生から敬遠されます。
そうなると、、、
役所に人材が集まらない
↓
人手不足
↓
職員1人あたりの負担が増す
↓
職員の不満がたまる
↓
メンタルを崩す職員が増える・退職者増
↓
残った職員の負担が増す
↓
さらにメンタルを崩す職員が増える・退職者増
という流れになっていくので、役所のブランドイメージは本当に大事ですね。
これからは「職員を大事にする役所」が学生から人気になります。
これから公務員試験を受験される学生が知っておくべきことは、
- 希望する役所の評判
- 公務員の将来性
- 公務員の仕事内容・業界・システム
です。
ぼくは、そんな疑問を持たれている人に向けて「グッバイ公務員~チャンスの扉~」という本を出版しています。
この本を読むと、
- 9時~17時勤務
- 残業なし
- デスクワーク中心でラク
などの「世間が思っている公務員のイメージ」が変わり、リアルな現場での勤務の様子・気持ちがどのようなものかわかるようになります。
また、役所独特の文化や職場環境・システムのことも説明しているので、実際に公務員になってから「こんな職場環境やシステムの中で働くのか…」とビックリすることもありません。公務員になったものの辞めてしまうと、大学の学内講座や専門学校の授業料(何10〜220万円)も無駄になってしまいます。
公務員という仕事に興味がある方、これから公務員試験に備えようと思っている方は、過去問を読む前に下の関連記事を読んでみてください。導入の「はじめに」も無料公開しています。
関連記事ついに出ました。公務員を目指す前に読むべきは過去問よりもこの本
まとめ
- 公務員は配属1年で人事異動させてもらうのは難しい
- 希望の配属先にならないことも多い
- 「公務員=ラク・安泰」と安易に思い込まずに仕事内容・業界のことは調べてから受験すべき
今回は、「公務員は配属から一年で人事異動できるかどうか」について解説させていただきました。
大事なことなので繰り返しますが、これから公務員試験を受験される方は、公務員のことや受験先の役所のことをしっかり調べてから受験してくださいね。
HARU(@harumizuki423)
自己紹介公務員歴14年で退職しフリーランスへ。HARUの人生ストーリー